ENFANTS RICHES DÉPRIMÉS

Enfants Riches Déprimés: パンクとラグジュアリーの交差点
ERDの起源|アンリ・アレクサンダー・レヴィのダークな美学
Enfants Riches Déprimés(アンファン・リッシュ・デプリメ)は、単なるファッションブランドではありません。
2012年、デザイナーのアンリ・アレクサンダー・レヴィによって設立されたERDは、富、反骨精神、そしてアートが衝突する地点から生まれました。
“Depressed Rich Kids(憂鬱な金持ちの子どもたち)”という挑発的な名前が示す通り、ERDはニヒリズム、エリート意識、パンクカルチャーへの皮肉と共鳴を内包しています。
ロサンゼルスとパリを拠点に活動するこのブランドは、荒々しさと洗練、アメリカ的反骨とヨーロッパ的知性という、相反する要素を同時に体現しています。

アンリ自身の人生にある矛盾――富と自己嫌悪、反抗と享楽、匿名性と名声――は、そのままERDのクリエーションに投影されています。
手描きのグラフィックTシャツ、意図的に破壊されたレザー、ダダイズムやニヒリズムを想起させる難解なモチーフ。すべては極端に限られた数量で生産され、トレンドとは一線を画します。
「人は自分が何を欲しているのか分かっていない。だから、僕は自分が作りたいものを作るだけだ」
この姿勢こそが、ERDを唯一無二の存在へと押し上げました。

ERDの美学|“制御された混沌”

ERDの世界観は、一目でそれと分かります。
落書きのようなアートワークが施されたダメージTシャツ、歪んだグラフィックのオーバーサイズニット、手作業で加工されたヴィンテージレザー、ディストピア的なムードを纏うスタッズボンバージャケット。
これらのアイテムは大量生産されることはなく、多くが100点未満、あるいは一点物として制作されています。
ロサンゼルスのスタジオで手作業により生み出されるプロダクトは、パンクの破壊性と職人的な完成度を同時に備えています。

ジェンダーレスで、時に“不格好”ですらあるデザイン。
反企業的な精神を掲げながらも、価格帯は完全にラグジュアリー領域に位置します。Tシャツで数百ドル、アウターは数千ドルに達することも珍しくありません。
大量消費型ストリートウェアが溢れる現代において、ERDはあまりにも孤高で、あまりにも触れがたい存在です。
カルト的支持とカルチャーへの影響
ERDは、その排他的な姿勢にもかかわらず(あるいは、だからこそ)、強固なカルト的支持を獲得しています。
トラヴィス・スコット、カニエ・ウェスト、リアーナ、ジャレッド・レト、コートニー・ラブなど、数多くのアーティストやアイコンがERDを身に纏ってきました。
Maxfield(LA)、The Webster(Miami)、Excelsior(Milan)といった限られたセレクトショップのみで展開される流通体制も、その希少性をさらに高めています。

ERDは、バズを追いません。
定期的なコレクション発表も、ランウェイショーもほとんど行わない。
簡素なウェブサイト、混沌としたInstagram。その“語らなさ”こそが、人々の欲望を刺激するのです。
そして今、feuille にて

Enfants Riches Déprimés は、現在 feuille にて展開中です。
限定生産のグラフィックTシャツから、手作業で仕上げられたアウターウェアまで。
ERDの本質――コンセプチュアルで、挑発的で、時代の一歩先を行く美学――を体現するピースを厳選してご紹介しています。
ぜひ店頭、またはオンラインでコレクションをご覧ください。
理解する者にとって、これに代わるブランドは存在しません。
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